「あらら、柔らかくなっちゃった。疲れてるのか? 代わるよ」
妻のまさみが、優しい声で言う。今日も、セックスの途中で柔らかくなってしまった。ここ半年くらい、なぜか途中で柔らかくなってしまう。
まさみとは、結婚して5年経つ。僕は29歳で、まさみは6つ上の35歳だ。まさみとは、クライミングジムで知り合った。後で知ったことだが、僕に一目惚れしたそうだ。僕も、初めて会った時、こんなに綺麗な人がいるんだなと驚いたのを覚えている。均整の取れたスタイルと、ウェアの上からでもわかる豊かな胸。でも、なによりもその顔の美しさに驚いた。
全体的には丸味を帯びた顔で、童顔と言っても良いと思う。ただ、顔のパーツが全て美しい。パッチリした目も、スッとした細い鼻も、笑うと少し大きいと感じる口も、全ての造形が美しかった。
僕は、一目惚れと言うよりは、憧れを持った。クライミング技術も、僕より上だった。そんな彼女と仲良くなったのは、彼女が積極的に声をかけてきてくれたからだ。一緒に外岩に登に行くようになると、もうこれは付き合っているのかな? と思うようになっていた。
まさみは、見た目の美しさからは違和感があるくらいに、男っぽかった。少しがさつな部分もあり、見た目とのギャップが強かった。ずっとバスケをしていたこともあり、体育会系のノリが強い。
「まったくもう、こんなイイ女相手に柔らかくなるなんて、どうかしてるよ」
まさみは、そんなことを言いながら、柔らかくなった僕のものを舌で刺激し始めてくれた。本当に、イイ女だと思う。5年前に息子を産んで以来、クライミングはやめている。そんなこともあり、少し肉付きは良くなった。でも、それがより彼女をセクシーに見せている。
まさみと結婚したのは、妊娠したからだ。いわゆるできちゃった婚になってしまったが、僕の両親は大喜びだった。結婚前にまさみを紹介した時、あまりにもまさみが美人だったので、僕が騙されているんじゃないかと心配してくれたくらいだった。まさみの両親も僕を気に入ってくれていたので、結婚には何の障害もなかった。
そして、生まれた息子も本当に可愛らしい。まだ24歳で父親になってしまったが、不思議なもので、まさみが妊娠したことをきっかけに、色々な自覚が生まれた。ただ、いまだに謎なのは、まさみがなぜ僕に一目惚れしたかということだ。
僕は、なよっとしていると思う。たぶん、まさみはもっと男っぽい男性が好きだと思う。ルックスこそ、整った顔立ちをしていると言われるが、悪く言えば女っぽい顔だ。まさみの好みの俳優は、マッチョで精悍な感じの人が多い。ますます謎だと思ってしまう。
「乳首も触るよ」
フェラチオをしながら、指で乳首を刺激してくれる。勃起はしていなくても、すごく気持ちいい。でも、こんなにも快感を感じているのに、どうして勃起しないのか不思議に思ってしまう。まさみは、くわえてバキュームもしてくれる。さらに快感は増したのに、どうしても勃起しない。
ただ、セックスが始まって挿入するまでは問題なく勃起出来ているので、完全に機能が失われたというわけではないと思う。まさみは、色々と頑張ってくれている。でも、どうしても勃起出来ない。そんな状態のまま、射精感は限界が来てしまった。
「いいよ、そのまま出しな」
相変わらず、がさつな口ぶりだ。美しい顔から男っぽい言葉が出てくることに、いまだに違和感を感じてしまう。でも、そのギャップがたまらないと思っているのも事実だ。考えてみれば、まさみがこんな言葉遣いをするのは僕にだけだ。それだけ包み隠さず素の自分を見せてくれていると思える……と思ったが、僕の会社の後輩の拓真にも、がさつな態度は見せている。
拓真は、今どきな若者という感じだ。僕より2歳年下で、本当に調子のいい男だ。でも、大学が同じということもあり、僕を慕ってくれている。ウチに遊びに来ることも多い。ただ、まさみが拓真と仲良く話をしているのを見ると、微妙にヤキモチを焼いてしまう。
「おっ、固くなった。どうした? 急に固くなったけど。ほら、早くおいで」
まさみは、そう言って仰向けに寝転がり、脚を大きく拡げる。美しい彼女が、こんなはしたない姿をすると、本当にドキドキして興奮してしまう。慌ててコンドームを装着し、彼女に覆い被さった。
「固い。すごく固くなってる。どうして? なんでこんなに?」
不思議そうな顔で聞いてくる彼女。僕は、答えずに腰を動かし始める。まさか、拓真のことを考えてこうなったとも言いづらい。
「気持ちいいか? もっと気持ちよくなれよ」
まさみは、そう言って乳首を刺激してくれる。まさみとのセックスは、いつもこんな感じだ。完全に尻に敷かれていると思う。そして、まさみはいつもそれほど乱れてくれない。終始余裕のある態度でリードしてくれる。
男としては、情けない気持ちにもなる。でも、最初からずっとこんな感じだったので、慣れてしまっている部分もある。まさみは、嬉しそうな顔で僕を見つめている。勃起出来たことに、こんなに喜んで貰えると幸せな気持ちになるし、愛されているのを実感出来る。
また柔らかくなる前に……そんな気持ちで腰を動かし続けると、もう限界が来た。でも、まさみはほとんどあえいでいない。気持ち良さそうで幸せそうな顔を見せてくれているが、感じているとはいいがたいリアクションだ。
「いいぞ、そのまま出せ」
まさみは、僕がイクのがわかる。その言葉にドキッとしながらも、腰を動かし続ける。すると、まさみはスッと目を閉じた。とくに何か言ってくるわけではない。でも、あきらかにキスして欲しいという仕草だ。まさみは、自分から何かおねだりすることはないが、こんな風に遠回しにキスをねだってくる。
まさみを可愛いと思いながら、すぐにキスをした。舌を絡めていくと、すぐにまさみの舌が絡みついてくる。情熱的なキスに、さらに射精感が高まる。そして、あっけなく射精を始めてしまった。
射精を始めると、軽くうめくまさみ……舌の動きが激しくなる。ただ、少しすると、急にキスを止め、
「気持ちよかったか?」
と、ぶっきらぼうに聞いてくる。最高に気持ちよかったと伝えると、
「そっか、良かった。でも、どうして急に固くなったんだ?」
と、怪訝な顔で聞いてきた。まさみ相手にウソもつけず、正直に答えた。
「へぇ、それって、ヤキモチ? 可愛いな」
まさみは、まんざらでもない顔になっている。そして、
「今度柔らかくなったら、昔の男のこと聞かせてやるよ」
と、言った。その言葉にドキッとしたが、想像しただけでドキドキしてしまった……。
今日は、ちゃんと最後まで出来た。最近は、途中で柔らかくなってしまって、そのまま終了というパターンもある。そんな時、まさみはあきらかに機嫌が悪くなる。でも、不思議なことに、まさみは僕が軽いEDみたいな感じになってしまっても、頻繁にセックスのお誘いをしてくる。もちろん、直接的な誘いではなく、遠回しに誘ってくる。愛情を感じるし、幸せな気持ちになるが、申し訳ない気持ちも大きくなる。
「ほら、もっと食べろ。精力付けないと、元気なくなっちゃうぞ」
まさみは、ウナギの肝を焼いたものを追加でお皿に載せてきた。もう、今日のセックスが確定したような気持ちだ。まさみが精力がつきそうな食材を使う時は、そういう時だ。
「たっくんも、いっぱい食べないとダメでちゅよー」
まさみは、息子に話しかける時はデレデレなママという感じになる。いつもの強気でちょっとがさつな彼女とはまったく違う、優しいママの顔だ。
「ママ、おいしいっ」
まだ少したどたどしい言葉で話す息子を、目を細めて見つめるまさみ……幸せとしか言えない時間だ。そのまま楽しい食事を終え、息子と一緒に風呂に入った。まだまだ甘えん坊の息子は、ママだけではなく僕にもすごくなついてくれている。風呂でボートのオモチャで遊んでいると、あっという間に時間が過ぎていく。
「ほら、そろそろ出ないと風邪引くよ~」
まさみに言われて、やっと風呂を出た。たっぷり遊んだせいか、息子もすぐに寝てしまった。すると、風呂に入ったまさみが入ってきて、覆い被さるようにキスをしてきた。
「疲れてるか?」
ぶっきらぼうに聞いてくる彼女。すでに、ママの顔からオンナの顔に変わっている。ドキッとしながらも、疲れていないと答えてキスをした。
まさみは、嬉しそうに舌を絡めてくる。今日は、ストレートな誘いだ。いつもは、もっと遠回しな感じでセックスが始まる。どうしたのかな? と思いながらも、舌を絡めるキスを続ける。
こうやって間近で見ると、本当に美しい顔をしていると思う。こんなにもイイ女が、なぜ僕なんかに惚れたのかまるで理解出来ない。そして、いつものように彼女のパジャマを脱がせ、愛撫を始める。出産を機に、大きくなった胸。Eカップあるそうだ。抜けるような白い肌に、母乳で育てているわりに小振りな乳首、顔だけではなく身体も最高だと思う。
まさみは、僕のことを優しい顔で見つめながら、時折気持ち良さそうな声を漏らす。でも、やっぱりそれほど気持ちよさそうには見えない。僕が下手なこともあると思うが、まさみは不感症気味なのかな? と、思っている。
そして、コンドームを付けて挿入し、腰を動かし始めると、まさみの指が僕の乳首を刺激してくる。強い快感を感じながら腰を動かし続けると、控えめなあえぎ声が漏れ始める。間違いなく快感を感じてくれていると思うが、どうしてもさほど感じていないように見えてしまう。
すると、急速に僕のものが固さを失い始めた。いつも、唐突に柔らかくなってしまう。興奮もしているし、快感も感じているのに、自分でも不思議なくらいに柔らかくなる。
「まったくもう……ホント、世話が焼けるな。そんなに聞きたいのか? 元彼のこと」
まさみが、呆れたように言う。でも、呆れたような態度を取っているのに、怒っているような感じはない。口調は荒いが、愛情は感じる。嬉しい気持ちになりながらも、やっぱり罪悪感が大きくなる。そして、焦れば焦るほど、より固さを失っていく……。
「ほら、そこに寝な」
まさみに指示されて、ベッドに仰向けで寝転がった。まさみは、すぐに乳首を舐め始めてくれる。強い快感を感じるが、まだ股間は反応しない。
「気持ちいいか?」
まさみに質問されて、すごく気持ちいいと答えた。勃起状態になっていないが、快感は間違いなく感じている。最高に気持ちいいのに、どうしても勃起状態にならない。申し訳ないと思いながら、まさみの美しい裸体を見つめる。
「上手だろ? これ、元彼に仕込まれたんだぞ。けっこう年上の彼だったから、こうやって乳首舐めて固くしてたんだ」
唐突に始まった過去の話。まさみは、これまで元彼のことは一切話してくれなかった。どんな男と交際してきたかとか、何人くらい付き合ったのかとか、聞いて答えてくれず怒られた。そんなまさみの口から、元彼の話が出ていることに動揺してしまう。
「乳首舐めると、すぐに固くなってたよ。男でも、感じるんだなって驚いた。でも、気持ちよくなってくれると嬉しくなった」